(9) ウスモンオトシブミ (9) ウスモンオトシブミ


(解説)5〜8月にかけて発生。成虫は5・5ミリほどで体の割には首と足が長くて力が強い。「オトシブミ」とは、葉を巻き込み卵を生み込む甲虫の仲間の総称で、巻き込んだ葉を落とすもの、端を残して付けたままのものなどいろいろ。


 新緑に包まれた雑木林の中、道を歩いていると葉をくるくると巻いた二センチほどの筒が地面に落ちている。そのひとつが目に入ると、ここにもあそこにもと道沿いに続いている。誰がこんなにもかわいく葉を丸めたのであろうか。白雪姫の世界であれば小人の仕事に違いないのだが。
 何日かすると筒の横に小さな穴があき、五ミリほどの薄茶色の甲虫が出てきた。ウスモンオトシブミだ。親はキブシの葉を巻き、一、二個の卵を生み込むとそのまま巻き上げ、最後にそれを口で切り落としてしまう。葉の筒は、幼虫にとっては安全な住まいであり食料となっているのだ。
「落とし文」とは、昔、町人たちが願いを巻紙に記し、辻這ばた)に置いた手紙だと言われているが、これが、自然から私たち人間にあてた落とし文だとしたら、中にはどのようなことが記されている
のであろうか。