(6) アズマヒキガエル (6) アズマヒキガエル


(解説)ヒキガエル科。体長20センチほどで主に陸上の森林ややぶで生活する。水かきはあまり発達していない。後ろ足が短く、のそのそ歩く。 産卵は晩冬から春にガけて、短いときは数日で終わつてしまう。


「クッ、クッ、クッ」「ゴギ、ゴギ、ゴギ」。水辺からヒキガエルの鳴き声が聞こえてきた。
 三月半ばのある日、土の中で冬ごもりをしていた力工ルは、目を覚まして水辺へと集まってくる。産卵なのだ。
 寒天状の長い帯の中に球形の卵がぎっしりと産みつけられている。帯の長さを計ってみると七メートル。卵の数は約二干九百個もある。
 カエルのおなかの申に、こんなにもたくさんのものがどうして入っていたのだろうか。実は、卵が腹の中にあったときは三角のおにぎりの形で、ぎっじりと詰まっていたのだ。帯も外で水を吸って膨れたものなのだ。
 近ごろ、コンビ二で見かける三角おにぎりは、いつの時代にか誰かが考え出したものであろうが、それよりもはるか昔、体積最小限の工夫として、ヒキガエルは取り入れていたのである。