(5) カラスザンショウ (5) カラスザンショウ


(解説)ミカン科。暖地の沿海地や山地に生える落葉高木。高さ15〜20メートルになる。枝には鋭い刺が多い。7〜8月、枝先に淡緑色の小さな花を多数開く。雌雄異株。果実は直径5〜6ミリの球形で紅紫色に熟す。種子は黒色。


 音も凍てつき、静まり返った林の中へ入ってみると、頭上から数えることもできぬほどの顔、顔、顔がこちらを見下ろしている。
 虫めがねで枝をのぞいてみてほしぃ。そこには冬芽があり、その付け根には不思議にも小人(こびと)の顔が、レンズの向こうから見つめている。
  木には無数の冬芽がついているから、その付け根の顔も林全体では大変な数になる。木の種類によって顔つきも違い、時には、動物の顔であったりしておもしろくもある。
  雑木林の木々は、毎年冬になると葉を落として顔をつくり、辺りの景色の移り変わりを見続けてきたに違いない。
今年の冬の顔は、何を見つめ、どんな夢を見ているのであろうか。