(45) ハシボソガラス (45) ハシボソガラス


(解説)伊勢原でよく見かけるカラスは2種類。農耕地に比較的多く「ガーァ、ガーァ」と濁った声で鳴くのがハシボソガラス。街中に比較的多く「カーァ、カーァ」と濁らぬ声で鳴き、くちばしも太く、おでこが出ているのがハシブトガラス。どちらも、夕方になると森のねぐらへ帰り集団をつくる。


「ガーァ、ガーァ」。日陰道(日向地区)にあるキリの木から、1羽のカラスが鳴きながら飛び立った。ハシボソガラスだ。
 太いキリの幹を見上げると、地上10メートルほどの枝分かれした所に大型の巣が捜けられていた。巣は、太めの枝を積み重ねただけという、鳥の巣としては簡単粗雑な作りではあるが、強力なくちばしで引きちぎり持ち帰ったものであろうか、2メートルもあろうアケビのツタが使われていた。
 巣の中には3羽のひながいたが、伏せているので下からはなかなか見えない。が、日差しが強いのか、母親の帰りを待ちわびてか、時折、首をいっぱいに伸ばし、空に向かって口を大きく開ける。するとどうだろう。ひなの口の中は鮮やかな赤色に染まっていたのだ。親鳥は、この赤色に引き付
けられ、せっせとひなに餌を与えたのであろう。
「カラスなぜ鳴くの カラスは山に 可愛い7つの子があるからよ」
 これは、「七つの子」というカラスを題材にした童謡であるが、以前カラスは、幼い子の夢をはぐくむほど私たちにとって親しみのある存在であった。
 今では、カラスは迷惑鳥の代名詞。彼らをそうさせたのはわれわれ人間であり、生活を見直す時期をカラスが示しているのかもしれない。
 新緑の季節に巣立ったひなたち。今、どんな暮らしをしているのだろうか。