(39) ミミズク (39) ミミズク


(解説)ミミズク科に属する体長14~18ミリの昆虫で、本州以南に広く分布する。雌は、秋になると頑丈な産卵管を樹皮下に差し込んで産卵する。卵で冬越しして初夏のころにふ化、8~9月ころに成虫になる。ミミズクの暗い体色は、木の幹の色とよく似ていて優れた隠ぺい色である。


 2月の雑木林を歩いているときのことであった。「ミミズクを見つけたぞ」と叫ぷと、「どこどこ」「どの木に」とみんなが手に手に双眼鏡を握りしめて駆け寄ってきた。「ほら、この幹の割れ目に」と指差すと、「なあんだ。鳥じゃないんですか」と、好奇に満ちた表情がたちまち落胆へと変わっていった。
 ミミズクというと、多くの人は鳥を罠い浮かべる。実際にフクロウの仲間にコミミズクがいる。ところが、昆虫の中にもミミズク、コミミズク、ヒラタミミズクなどがいるから大変紛らわしいのである。これらは、大きく分けるとセミの仲間である。セミのように鳴きはしないが、ロは針状で植物の汁を吸って生きている。普段は木の幹や枝の上に止まって動かず、人の目に触れることは少ない。といって、ルーペでのぞき込もうとすると、強力なバネの後ろ足で。ピンと跳ねて姿をくらませてしまう。
 雌は雄と違って胸背が大きく耳状に発達しているが、それがどんな役割を果たしているのかよく分かっていない。また、10月ころに産卵して一生を終えるはずなのに越冬体が見つかるなど、ミステリアスな昆虫でもある。
 自然という創造主は、ときには遊び心を必要としているのであろうか。