(34) アオバセセリ (34) アオバセセリ


(解説)南方には、アオバセセリの種類は多く、成虫はそれぞれ美しい羽を持ち幼虫も色彩に特色がある。年2回発生、5~6月、7~8月に見られる。


 綿菓子を思わせる花の集まりをつけたアワブキの木を見つけたのは初夏のころ、林道歩きをした時のことであった。この木は伊勢原では少なく、鮮やかな緑の羽を持つチョウ「アオバセセリ」の食草でもあるので気になっていた。
 その後訪れてみると、細長い葉の先端が主脈をはさんで、かしわもち状につづり合わさったものが幾つもぶら下がっていた。アオバセセリの幼虫の隠れ家だ。チョウの姿は見かけなかっ
たものの、ひそかに産卵していたのだ。幼虫にとって一番恐ろしい相手は野島たちで、その目から逃れるため昼間は隠れ家に潜む。しかし、鳥にとって不自然につづられた葉は気になると
みえ、くちばしでつついているのを見かけることがある。
 そこで鳥の気持ちになり、葉のつづり口からのぞいてみて驚いた。中から、真っ赤な面に偽りの目が3個と鼻が黒々とかかれた頭が今にも跳び掛かろうとしているのだ。そのうえ、頭に続
く体は黒と黄色を交互に配した危険色になっている。なおも葉のつづり口を開こうとすると、今度は頭を左右に振り隠れ家の壁をたたいて激しく威嚇するのである。これではさすがの鳥もたじろぎ、二度と攻撃はしないであろうと思えるのである。
 さて、アオバセセリの幼虫は二重三重のセキュリティーを確立しているように見える。きょう9月1日は防災の日、あなたのお宅ではどうであろうか。