(32) ジンガサハムシ (32) ジンガサハムシ


(解説)成虫は5月ころより現れヒルガオの葉に丸い穴をあけて食べる。幼虫やさなぎほ、脱皮殻を尾端につける習性があリカムフラージュする。


 財団で行ったクリーンハイクの時のことである。「この虫、イヤリングにしたい」。こうつぶやいたのは参加した女性だった。道端の草むらを奪うように広がったヒルガオの葉は、丸い穴が幾つもあき、その上に円形で平たい虫が吸い付くように止まっている。虫の背中に太陽光が当たるとまぶしいほどの金色に輝いた。
 体の大きさは7~8ミリと小さいが、もし2~3センチの大きさがあったとしたら、我々人間は本気でアクセサリー化を考えたに違いない。体の小さかったことが、虫にとって幸いであった。
 ルーペでのぞいてみると、体はべっ甲を思わせる円形の甲羅に覆われていて、その周囲は透明になっている。胴や羽はもちろん、頭も足もすっぽりその下に隠れ、用心深い仕組みとなっている。ただ二本の触覚だけは外へ突き出し、辺りの様子を探っているのが分かる。そして透けた甲羅の下から見える黒い複眼には、のぞき込んだ我々の顔を写しだしているのであろうか。
「陣笠羽虫」とは、江戸時代のころに大名が着けた陣笠から連想しだれかがそう呼んだのか。その時代にタイムスリップすると、太田道灌も陣笠を着けた野出しの折りに、このジンガサハムシを目にしたのであろうか。伊勢原にゆかりのある昆虫に思えてならない。