(31) シジュウカラ (31) シジュウカラ


(解説)住宅地や公園などでよく見られる野鳥。もともとは木のほらに営巣する種類だが、それが少なくなり住宅難。巣箱をよく利用する。写真は特別にカメラを組み込んだ巣箱を作って遠隔操作で写したもので、実際には巣箱をのぞくことは厳禁。


 六月の雨は緑色の雨。森の木々や草の葉を若草色から濃い緑へと染め上げていく。葉の緑が増せば虫たちの動きも活発になり、葉をバリバリと食べ始める。
 そんな森の木の幹にかけられた巣箱に、二羽の野鳥が盛んに出人りする。胸にネクタイ模様の黒い帯があるところから、シジュウカラだということはすぐ分かった。
 親鳥が巣箱の円形の人り口から中へ人ると「ジャー、ジャー」とかわいい鳴き声がする。ひなが育っているのだ。驚かせないように離れた所から双眼鏡で親鳥を観察すると、イモムシ、ケムシ、ガの成虫、バッタなど、ひっきりなしに運んでくる。
 巣箱の中の様子はどうなっているのだろうか。
 えさを口にくわえた親鳥が巣箱の中に入ると、ひなたちは一斉に鳴き声を上げ親鳥に向かって口を開く。そして、空腹のひなから順次えさをもらうのである。
 ところで、ひなはえさを飲み込むと急いで向きを変え、くるりと逆立ちをしたかと思うと、おしりを親鳥の方へ突き出し、真っ白なゼラチン質のガプセルに包まれたふんを排泄するのである。すると、すかさず親鳥はそれをくちばしでくわえ森の中へ飛んで行き処理をする。そのため、巣箱の中は常に清潔なのである。
 さて、私たち人間の社会でも解決しなければならない数多くの申の一つが排泄物の問題であろう。シジュウカラの世界では、それを自然の仕組みに逆らわぬ形で、うまく解決しているように思えるのだがどうだろうか