(24) タマゴダケ (24) タマゴダケ


(解説)幼菌は白色の外被膜に覆われて卵型。次第に膜の上部が破れて赤い傘が現れてくる。傘は開くと直径6~18センチ、周辺には放射状の溝線が現れる。柄は長さ10~20センチ、黄色の地に帯赤色のだんだら模様。夏から秋にかけてシイ、ナラ、ブナ、モミなどの樹下に生える。


 大山山頂から日向へ向かう林の中の山道を走るように下り続ける。日がだいぶ西に傾いてきたからだ。
 足の踏み場を探しながらあたりに目をやると、真っ赤に色付けされた卵がふっくらと積もった落ち葉の中から頭を出している。膝をついて顔を寄せてみると、それはコロンブスの卵よろしく落ち葉の中に立っているのだ。手で落ち葉をかき分けてみると、下には真っ白な卵状のからが現れ、その中から赤い卵が生まれているのだ。
 実は、卵、卵とこだわったのは、形が名を表すようにタマゴタケというキノコだったからである。
 おとぎ話の絵木によく描かれている真っ赤な傘を持つべニテングダケを代表するように、「赤くてきれいなキノコには毒がある」とよく言われるが、タマゴダケは食べられるキノコであり、その判別は難しい。
 その後、山仕事をしている人にタマゴダケのことを話したら、「この前、山で見つけてね。うどんの汁に入れたらこっくりとしただしが出てうまかったよ」と返ってきた。
 とはいえ、山のキノコばかりは猛毒のものがあることから、素人判断は大変危険である。
 さて、タマゴダケを見つめていると、春でもないのにイースターの「色付け卵」を連想してしまう。自然は、われわれ人間の想像をはるかに超えた偉大な芸術家なのであろう。