(16) ゴマダラチョウ幼虫 (16) ゴマダラチョウ幼虫

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(解説)成虫は、黒褐色の地に白の斑紋をちりばめた羽を持つことからゴマヴラの名ガ付いた中型のチョウ。羽は、丈夫にできていて飛ば刀ガ強い。夏はクヌギなどの樹液に集まり汁を吸う。  幼虫で冬を越し、春、エノキが芽吹くと幼虫は目を覚まし、木を登る。


 あけましておめでとうございます。森の仲間に代わってごあいさつ申し上げます。
 私は、ゴマダラチョウの幼虫。昨年の秋は、市総合運動公園の雑木林の中にあるエノキが私のすみかでした。栴に近い枝先の葉の付け根を、吐き出した糸でしっかりつづり、その上で日光浴を楽しんでいました。木々の葉も色付き、やがて、それが風に乗って散り落ちて裸木になったころ、葉を離れたのです。枝を進んで幹にたどり着くと、地面に向かって真っすぐに降りていきました。
 エノキの根元には、落ち葉が幾重にも積み重なり、適度な湿り気と温もりを保つその中に潜り込んだのでした。寒さ厳しいこの冬をうつらうつらしながら過ごしているのです。
「それでは、居眠りしながらのあいさつか」ですって? 冬越し申のものですから、厚い落ち葉の布団の中からでご容赦ください。
 えっ、そういうあなたも寝正月だったのですか。それでは、私と全く同じお正月を過ごしたということではありませんか。