(15) ホオノキの落ち葉と虫たち (15) ホオノキの落ち葉と虫たち


(解説)ホオノキの葉は、ほお葉みそで有名だが、「ほお葉まんま」といってご飯を包んで食べる地域もあり、生活につながりが深い。  木材は白くて素性が良いため、かつては高げたの歯や年賀状の木版などに利用された。


 セピア色に染まった雑木林の上を木枯らしが吹き抜けると、木々は葉を一斉に落とし始めた。中でもホオノキは、枝を空に向かって真っすぐに突き出しているためか、それともほかの木々と比べて葉がはるかに大きいためか、風を真っ先に受けてひらひらと地面に落ちる。乾ききった葉はねじれ、落ち葉が積もった小道を歩くとカサカサと心地よい音がする。
 このところの寒さで、虫たちは姿を消したものと思いがちだが、日だまりに積もった「ほお葉」の上には、日なたぼっこを決め込む虫たちが結構見られる。寒さのためにやがて姿を消すもの、成虫のまま厳しい冬を乗り切るものなどさまざまだが、どの虫も過ぎ行く年を惜しんでいるように見えてくる。
 来年は、われわれ人間にとっても、森の生き物たちにとっても良い年でありますように。